日本生産性本部余暇創研が発表した『レジャー白書2024』によると、2023年は国内観光旅行などの外出を伴うレジャーをはじめ、多くの活動で参加人口の増加が見られた。余暇関連市場規模は前年比13.4%増の71兆2,140億円と大きく回復し、コロナ禍前の2019年比で98.5%の水準まで戻った。

日本人の余暇活動は、「国内観光旅行」が2年連続の首位で参加人口は推計4,740万人。仕事より余暇を重視する回答者の割合が年々増加しており、今回の調査では回答者の65.7%が余暇重視派(「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」と「仕事は要領よくかたづけて、できるだけ余暇を楽しむ」の合計)だった。

余暇総研は余暇関連産業・市場を「スポーツ部門」「趣味・創作部門」「娯楽部門」「観光・行楽部門」の4カテゴリーに区分している。大幅に回復したのは「観光・行楽部門」で前年比32.1%増。国内旅行需要の高まりにインバウンド効果が加わりホテルや遊園地・レジャーランドが急速に回復した。「娯楽部門」には、パチンコ・パチスロや公営競技、ゲームなどが含まれ、市場規模は余暇市場全体の7割近い48兆円を占める。

「娯楽部門」は前年比12.6%増。回復をけん引したのは、長期低迷から脱却しプラスとなったパチンコ・パチスロ、成長を維持している公営競技(中央競馬、地方競馬、競輪、ボートレース、オートレース)など。外食やカラオケも順調に回復している。

2023年のパチンコ・パチスロの市場規模は、パチンコの売上減をパチスロの売上増が補ったことで前年比7.5%増の15兆7000億円となった(同白書はパチンコ・パチスロの市場規模推計にダイコク電機のDK-SIS白書を採用している)。しかし余暇総研の調査によると、パチンコの参加率は前年から1.3ポイント減少して6.8%となり、推計した参加人口は前年から110万人減り660万人だった。パチンコの年間活動回数は前年とほぼ同水準の平均31.2回。年間費用の平均は20%以上増え(20,600円増)10万9,000円となった。これらの数字は、パチンコ・パチスロの市場規模(業界総売上)の回復が、参加者1人あたりの負担が急増したことであることを物語っており、手放しでは喜べない状況だ。