スリランカのバンダラナイケ国際空港の出口周辺、ホテルやタクシーサービスなどのブースが並ぶ中に、2つのカジノがブースを出していた。
何をしているかというと、「空港限定のお得パック」(Exclusive Airport Packages)を販売している。
「お得パック」とは何かというと、ここでは「NC Chip」と呼ばれているが、一般的には「Non-Negotiable Chip」や「Dead Chip」と呼ばれる、ケージに持っていっても換金してもらえないプレイ(bet)専用のチップのバウチャーを販売している。もちろん、このチップでbetして勝てば通常のチップを受け取れる。
『Bally’s Casino Colombo』というコロンボ最大規模のカジノの場合、100USドル(約1万6千円)のパックを買うと、以下のバウチャーを受け取れる。
・100ドル分のNC-Chip
・50ドル分のOne Time Play Chip (OTP)
・5,000 LKR分のOne Time Play Chip (OTP)
合計すると日本円換算で約2万5千円相当。
1万6千円払うと2万5千円分のbetができるとは、ずいぶんと気前がいい。
※1 LKR(スリランカ・ルピー)は約0.5円。
1,000USドル(約16万円)のパックだと、「1,100USドル分のNC-Chip」もしくは「1,000USドル分のNC-Chip+5つ星ホテル1泊」。
カジノは入場無料で、フロア内の飲食コーナーで食事とソフトドリンクは無料。
テーブルゲームのミニマムベットは100,000 LKRが中心のよう。ミニマムベットがいちばん低いテーブルは500 LKR(約250円)で数台あった。ハイブリッドETG(人間のディーラーがゲームを進行するElectronic Table Games)では250 LKRだったように思う。
バカラはここでもポピュラーなゲームだが、日本人にとって珍しいゲームとしては、「Asian Poker」や「Andar Bahar」(アンダール・バハール)がある。
「Andar Bahar」これはインド発祥のシンプルなゲームで非常に人気がある。「Andar」はヒンディー語で「内側」を意味し、「Bahar」は「外側」を意味する。
ステージでは一定時間おきにダンスパフォーマンスが行われるが、特別なイベント日にはインドのスーパースターを招聘する。インドでは目の前で見ることができないような有名な女優や歌手が登場すると、客の多くはゲームテーブルからステージ前に移動してライブを楽しむ。
ハイリミットエリアもあるが、マスフロアで高額チップを賭ける客も多数いる。それにも関わらず、マカオのカジノと比較すると、おおらかな雰囲気がある。とはいえ、配置されているカジノの従業員は明らかに多い。
上記は『Bally’s』についての話。コロンボにはこの他に『Bellagio Casino Colombo』と『Casino Marina Colombo』があり、いずれも地元企業。
『Bellagio』は『Bally’s』と同系列で、ネパールにもカジノ施設を運営している。
『Marina』はネパールのほか、モザンビーク、ザンビア、マダガスカルなどアフリカでカジノ施設を運営している。
そしてコロンボの『Marina』は、同じ建物内に地元スリランカ人専用フロアがあり、入口も別になっている。入ってみようとしたが、「外国人は向こうに回ってください」と指示され、入場することはできなかった。
これらカジノは複数のホテルと提携していて、シャトルサービスがある。つまり、ホテルとカジノ間の移動は無料。
Bally’s Casino ColomboもBellagio Casino Colomboも提携しているのがThe Kingsbury(キングスベリー)で、旧国会議事堂の目の前かつスリランカ中央銀行の隣という立地の、老舗クラシックホテル。2013年からはスリランカ屈指の複合企業Hayleys PLC. (オーナーはダンミカ・ペレイラ氏)の子会社が所有運営している。
ホテルから「Bally’sに行く」と言えば、ホテルが用意したクルマで無料で送ってくれる。帰りも同様で、カジノに「The Kingsburyに戻る」と言えば無料で送ってくれる。
text by Tsuyoshi Tanaka