text by 日野孝次朗(株式会社 のぞみ総研・のぞみ合同事務所 行政書士)
従業者名簿の管理方法について
従業者名簿には従業員のプライバシーが記載されていますので、個人情報として適切に管理しなければなりません。
名簿の管理にあたっては以下の点に注意が必要です。
- 閲覧できる人間又は職務を限定すること(管理者と経営者のみに限定するなど)
- 名簿には秘密情報であることを示す表記をすること
- 一般の従業員が閲覧できない場所でカギなどをかけて厳重に保管すること
労働基準法では「労働者名簿」と言われる名簿の備え付けを義務付けています。「従業者名簿」と「労働者名簿」を別々に作成管理することも、二つを合体させて作成管理することも事業者の判断に任されていますが、それぞれに記載されるべき事項が、漏れなく記載されている必要があります。
本籍情報等の取り扱いについて
本籍情報の確認は法的義務ではありませんが、日本国籍であることを確認するために本籍の有無を確認することには意味があります。不法滞在外国人が日本人を装っている場合に備えて、本籍地の都道府県名までが記載された住民票記載事項証明書を提出させ、その写しを保管しておくことをお勧めします。
就労ビザは風俗営業等で働くことを禁じられていますが、外国籍でも永住者、日本人または永住者の配偶者、定住者など、風俗営業店で就労できる方もいます。外国人を採用する際には在留資格と在留期間を必ず確認して入管法違反(不法就労助長罪)とならないよう充分注意してください。在留資格や日本人国籍の有無を確認した根拠となる資料を保存しておかないと、不法就労助長罪に問われた際に不利になる危険性があります。また、証明書類が偽造されている可能性にも注意が必要です。
従業者名簿の管理は複雑で難しいテーマですが、インターネット上の情報にも不正確な内容が散見されます。最終的にどうすればよいのか悩むポイントが多いです。
事業者の方を対象に以下で風適法に関する相談サービスを受け付けています。
◎風営法専門家による風俗事業者のための疑問と悩み電話相談(事業者用)
https://thefirm.jp/風営法電話相談/