今朝の為替レートは1ドル156.87円(5/23朝)でしたが、これは銀行間の取引レート(インターバンクレート)であり個人にとってのレートとは異なります。成田空港の某両替店で円をUSドルに両替する場合のレート(つまり銀行がお客にドルを売るレート:TTS)は1ドル159.63円、関空の某両替店では1ドル160.42円でした。銀行は、自国通貨と外国通貨の交換比率である為替レート(基準レート)を基準にしつつ、販売にかかる手数料を上乗せしなければなりませんので。

ですので、海外に行って1ドルの買い物をした旅行者にとっては、1ドルは約160円です。62.5ドルなら、それは1万円です。
〔参考〕タイバーツの場合、為替レートは1バーツ4.29円。成田空港の某両替店のTTSは1バーツ4.71円、関空の某店では1バーツ4.81円。

現地の通貨が必要なら、日本で両替、現地で両替という方法のほかに、現地のATMでクレジットカードのキャッシングによって現地通貨を引き出すという方法もあります。

帰国後にカード会社に連絡し「事前返済」(臨時返済、つまり翌月一括返済)の申請をすると、1カ月分の借入利息が生じなくなるため外貨両替の手数料よりも安くなる場合があるようです。

「クレジットカードで1回払いで支払えば?」と思うかもしれませんが、海外での買物に対しては、1回払いであっても海外手数料(事務手数料)が加算されます。三井住友カードの場合、VisaでもMastercardでも為替レートに対して2.2%。また、適用される為替レートは利用日ではなく、海外での利用データがカード会社に届いた日のもの。

仮に利用日も適用日も為替レートが1ドル156.87円だったとすると、旅行者にとって1ドルは約160.32円。

デビットカードでの支払い手数料はクレジットよりも高く、三井住友カードの場合は3.05%です。

あえてデビットカードで支払う

近日、試してみようと思うのが、某決済プラットフォームのアカウントにチャージしておき、現地でそのデビットカードで支払うという方法。

まず、このプラットフォーム内での日本円をUSドルに両替するレートが非常に良い。5月23日を例にすれば156.74円。これは多くの両替店の販売レート(TTS)と買取レート(TTB)の中間値を算出した「ミッドマーケットレート」と呼ばれる値。もし自分のアカウントに複数通貨をチャージしていたら、現地通貨に対してもっともレートが良い通貨を自動的に選んでくれる。

そして、この決済プラットフォームが提供しているデビットカード支払い手数料は0.6%~と非常に低い

仮に、現地で100ドルの買物やら飲食をして、為替レートが1ドル156.87円だったとする。クレジットカードで支払った場合は1万6032円相当の支払いになる。一方、この決済プラットフォームのデビットで支払った場合は1万5781円相当の支払い。わずか251円ではあるけれど安い。

クレジットカードの利用で付与されるポイント還元率は0.5%が普通なので、1万6032円の利用の場合で80ポイント(80円)。日頃から「お得感」を求めて意識的にポイントを貯めている人なら、この決済プラットフォームのデビットで支払うことがいかにお得感があるかわかるはず。

今回、3万円をチャージしたうえで、このうち1万5000円をプラットフォーム内でUSドルに両替してみた。プラットフォームへの手数料が83円が差し引かれ、両替レートは1ドル156.735円が適用されて95.17ドルになった。手数料も含めて計算すると、1ドルを買う費用は157.6円だった。

by Tsuyoshi Tanaka