警察庁は、日本人向けに運営されている海外のオンラインカジノサイトについて、初の実態調査に乗り出す。8月19日に読売新聞が報じた。
報道によると、日本向けのオンラインカジノの運営会社やその所在地、賭け金の入金や出金方法のほか、日本からのアクセス数などを調査するほか、国内の10歳代~70歳代の7000人以上を対象にしたアンケートも行い、利用状況を年度内にまとめるという。

近年、海外オンラインカジノサイトへのアクセス数の増加が指摘されており、警察としても、国内の賭客が自宅や違法な賭博店等のパソコン等からオンラインカジノサイトにアクセスして賭博を行っているという状況を把握している。

『警察白書』(2024年版)の特集〈匿名・流動型犯罪グループに対する警察の取組〉の中でもオンラインカジノについて言及しており、強い問題意識を持っていることがうかがえる。

白書では、「こうしたオンラインカジノに係る賭博事犯には、実質的な運営者として、又はその背後で、暴力団や匿名・流動型犯罪グループが関与しているケースもみられることから、警察では、捜査を徹底し、実態解明を進めているほか、賭博運営者等に対する組織的犯罪処罰法の適用による加重処罰や犯罪収益の剝奪に努めている」としている。

〔画像:警察庁と消費者庁は2022年10月に「オンラインカジノに関する広報啓発用ポスター」を両庁の公式サイトに掲載した〕

警察庁はオンラインカジノに関する情報を収集するため、2023年10月から「匿名通報ダイヤル」の対象事案にオンラインカジノ賭博事犯を追加している。匿名通報ダイヤルとは、警察庁の委託を受けた事業者が、匿名による通報をフリーコールやウェブサイトで受け付け、その情報を警察が捜査などに役立てるというもので、事件検挙等に貢献があった場合には、情報提供者に情報料が支払われる制度。
求める情報は、オンラインカジノ賭博事犯の犯行グループの検挙及び実態解明に資する情報であり、具体的には下記。

  • オンラインカジノの運営に関与する国内グループのリーダー、中核メンバー等に関する情報
  • オンラインカジノに係る賭金の入出金に関与する国内グループのリーダー、中核メンバー等に関する情報

by Tsuyoshi Tanaka