マカオのカジノ産業の2024年の総ゲーミング収益は前年比23.9%増のMOP 226,782 million(約4兆716億5490万円)だった。ゲーム種目別に見ると、最も多くを占める「バカラ」は前年比24.8%増のMOP 137,907 million(約2兆4752億8165万円)。

カジノ産業はコロナ禍を経て着実に回復しているが、コロナ禍前の2019年比ではいまだ77.5%にとどまっている。その大きな要因は、カジノVIPルームにハイローラー客(大口客)を仲介するジャンケット事業者(ジャンケットプロモータ)を規制する法律が改正されたことで、ジャンケット事業者が2019年比で激減していること。そのため、かつては収益の約5割を占めていた「VIPバカラ」の構成比は全体の4分の1に縮小し、「VIPバカラ」の収益は2019年の約4割になっている。
その一方で、ジャンケット事業者を介さない「プレミアムマス」と呼ばれる客層が収益の柱となり、「バカラ」の収益は2019年を14.3%上回っている。
マカオの6つのカジノ事業者が2024年に収めたカジノ税(Gambling taxes)は前年比35%増のMOP 88.13 billion(約1兆6300億円)で、これはマカオの年間総税収の80.5%を占めている。※カジノ税はGross Gaming Revenueに課せられる税であり、カジノ事業者は、これとは別に法人所得税を支払っている。
マカオの統合型リゾートは、マカオの観光産業の政策に基づき、非ゲーミング(非ギャンブル)部門の拡大を進めている。2024年にマカオを訪れた外国人観光客は前年比66%増の240万人となり、これに統合型リゾートを会場とするエンターテインメントイベントやスポーツイベントの集客が大きな貢献をしている。たとえばGalaxy Entertainmentのコンベンションセンターやアリーナでは昨年、アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)、国際卓球連盟(ITTF)のワールドカップ、女子バレーボール・ネーションズリーグなどが開催された。